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2007.09.01

紙からウエブ -Webtop Publishing-

月刊アスキー (日本)

プロジェクトを成功させるには個人の課題をグループで共有化
進ちょく状況はWeb上で把握

課題追跡ツール「JIRA」がチームワークをより強固にした

press_ascii_03.jpg ストレスフリーの達人 ニラジ・ジャンジ氏に聞く
「インターネットやモバイルの登場で、距離も時間も越えて仕事が出来るようになりました。ただ、仕事との関わり方が今までとはまったく異なるため、毎日が忙しいと感じるビジネスマンが増えているような気がします」

日本を活動拠点にAOLインスタントメッセンジャー(iモード版)の開発などはじめ、オンライン上でさまざまな事業を展開しているimaHima(イマヒマ)の創設者、ニラジ・ジャンジCEO(最高経営責任者)は、ビジネスマンの働き方が変わる中で、ストレスなくこなしている起業家の一人だ。
ここ年、急速にITが仕事や生活と密接になり、特別な存在ではなくなっている。
ジャンジ氏は「パソコンで報告書や企画書などを製作する従来の仕事の仕方をDesktop publishingと位置付ければ、今後はすべてWeb上で行うWebtop publishingが主流になると考えています。ビジネスマンは、これまで以上にパソコンの使い方が問われてくるでしょう」と語る。

ジャンジ氏が使用している業務管理ツールを聞くと、もちろん、自社で販売している課題トラッキングソフト「JIRA(ジラ)」と企業向けWiki「Confluence(コンフルエンス)」の二つを挙げてくれた。
JIRAは、もともとバグ管理を目的に作られたソフトウエアだが、Todoリストの共有化や、課題の作成、担当者間の引き継ぎなどを一元管理することが出来る。
「仕事用にデスクトップパソコンが1人1台のみ割り当てられていた時代であれば、メールの管理は非常にシンプル。しかし、現在、複数のパソコンを持ち、携帯電話やPDAも使うようになると、どこかに情報を集約する場所が必要」
JIRAはまさに、“どこか”として活躍している。

/press_ascii_05.jpg また、Confluenceは、同じ報告書などを複数の利用者で編集できるため、プロジェクトの管理が容易だという。「重要なのは報告書の書式ではなく、いかに最新の情報が報告されているかにあります」
JIRA、Confluenceに共通しているのは、業務の進ちょく状況など個人レベルの情報を共有化し、“何が課題”で“いまやるべきこと”をチーム全員が把握出来ることにある。
ジャンジ氏は、「複数の仕事を同時進行でこなすためには、現時点での自分を見つめ直すことが必要であり、 この二つのソフトは非常に有効」と語る。

<JIRA>
あらゆる課題やバグ、タスク管理、改善管理機能を持っている。現在、世界60カ国、5600社以上で利用されている。
http://www.team-ware.com/software/jira/
<Confluence>
エンタープライズWiki。社内の知識・情報・ノウハウが安全に共有化できる。
http://www.team-ware.com/software/confluence/

<プロフィール>
Neeraj Jhanji(ニラジ・ジャンジ):1971年生まれ。1993年デリー大学卒業後、独シーメンスに入社。同社退社後、富士通が設立した日米経営学研究所の奨学制度によりハワイ大学でMBA(経営学修士)取得。1999年imaHima社を設立。imaHimaは、JIRAとConfluenceを開発した豪Atlassian社の日本総代理店として両製品の日本語版を取り扱っている。インド・ニューデリー生まれ。35歳。

文- 佐藤正生(編集部) 写真- 曽根田元