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2007.08.01

「ニッポンはブームが起きる国。一度ウケれば大成功も夢じゃない」

アントレ (日本)

コミュニティサイトのさきがけだったイマヒマ

インターネットが新しいメディアとして、未知の可能性と期待に包まれていた1999年のある日。ジャンジさんは、昼食を食べようとした時にあるアイデアをふと思い付いた。「今ヒマな人」は誰だろう? それは全くの偶然で突然の出来事だった。

「一人でランチを取るのが嫌で、周辺に誰か知り合いがいないかなと思った時、友達どうしが今どこにいるかわかるシステムがあれば便利だなと。ニーズは確実にあると思いました」

ジャンジさんはインド・デリー大学を卒業。外資系電気機器メーカーに勤務した後、ハワイ大学に留学。MBAを取得して外資系コンサルタント会社に勤務していた時に来日。「イマヒマ」のアイデアを思いついて独立した。

コミュニティサイトのさきがけともいえるイマヒマは、iモードの公式サイトに採用され、会員数は80万人を超えた。しかし競合が出現して登録者数の伸びは頭打ちに。ジャンジさんはイマヒマを開発した技術力を武器にAOLと提携。さらにスウェーデンのIT企業が運営するバーチャルホテルの日本代理店(後に譲渡)や映画「ハリーポッター」の公式サイトを運営するなど、次々と新規事業を展開していく。

press_entre_02.gif「クリエイトに興奮を覚える」というジャンジさんは自分をファウンダー(創設者)的性格の持ち主と分析する。その視点から、彼の母国であるインドと日本を比べると、日本市場のある傾向が読みとれる。

「日本人は良いものへのこだわりが強い。だから商品やサービスの高品質さをわかりやすく伝えることが必要。そしてそれが一度ウケると大成功につながります。インドは宗教や階層の違いがあるから、人口は多くても日本のようなブームは起こりません」

またベンチャー企業といえば急成長・急拡大で上場のスピードを競うような日本の風潮に異を唱える。ベンチャーキャピタルだけに頼る資金調達手法から脱却し、本当に自由な経営と、企業としてのオーガニック(自然な)成長を目指している。

「新規に事業を立ち上げたら1年間は赤字でも構わない。それが自然ではないでしょうか。今後は、自社の経験を生かした起業家支援と、インドに会社を設立して日本との橋渡し的存在になりたいと考えています」

press_entre_03.gif イマヒマ(株) 代表取締役
ニラジ・ジャンジ

【PERSONALDATA】
国籍/Nationality インド
生年月日/Date of birth 1971年12月15日
学歴/Education デリー大学電気工学卒 ハワイ大学MBA卒
職歴/Business career エンジニア、ITコンサルタント
  日本在住歴/Living in Japan 12年
家族構成/ Family 独身
趣味・特技/Hobby 旅行 機械いじり
好きな日本の料理/Favorite Japanese foods さわらの西京焼
好きな母国の格言/Favorite proverb 「ソウ スナル キー エク ロハル キー」。1人の鍛冶屋の一振りは、100人の金細工師の1日に同じ

(キャプション1)
日本とインドをはじめとする海外の橋渡しとなるインタラクティブメディア企業を目指しているイマヒマの履歴がわかる同社のサイト
(キャプション2)
ブームを起こすアイデア発想のコツは、常に考え続けること。情報収集を怠らないこと。そしてタイミングを待つことだという